「探したぞ、ガイア」


後ろには転入生が立っており、春風に靡く前髪の奥からは真っ直ぐな瞳が私を写していた。


「こんな辺鄙な地にいるとは予想外だったが…。まぁいい、迎えに来た。にしても下界の女どもは耳障りだな」



中々抜けられなくて、すまない。
口でこそ謝罪を述べているが、表情は相変わらず冷淡だ。端正な顔立ちが、より一層そのように魅せているのかもしれない。


「綺麗だ」と思えるのは、貴方の心が綺麗な証拠


いつかのテレビCMで誰かが言っていた言葉だ。化粧品のCMだったろうか、たまたま目に入ったそれは何故か脳裏から離れずにいた。
私にもまだ、その様に感じる心が残っていたのかと思うと、嬉しいような恥ずかしいようなそんな気持ちになる。