転入生は眉間に皺を寄せて言った。

「担任。お前、耳は無いのか。りんど くろす と言っているだろう。群馬でもない。オリュンポスから来たのだ」

いや、何処だよ。

張り詰めた空気を破ってくれたのは、爽やかイケメンこと、須藤 拓也だった。
私の幼馴染みでもある。

「オリュンポスっていう国から来たんだろ?帰国子女ってやつかぁ。なんかかっこいいな!」

「外国…。まぁ貴様等からしたらそういうことだろうな」

そんな国は無い。そして周りも納得するんじゃない。

「やっぱりそうかぁ。あれ?左腕に包帯巻いてるけど、怪我してるの?」

「怪我ではない。強すぎる力を封印する為だ」

「力?良くわからないけど、強いんだね!」


その後少しの質問タイムがあったが、転入生は相変わらずの斜め上の回答ばかりであった。

転入生の席も決まり、授業が始まる。



私は確信を得た。
転入生は、中二病だ。


窓の外を見ると雨は上がっており、雲の間から注ぐ光は桜の花を照らしていた。