美夢生side


楓汀学園に転校して来て早一週間・・・。

やっぱこのカッコはいじめられるよなぁ。

だって地味子やで?
こりゃあかんわ。

ウチもなウィッグとかカラコンとかメガネとったら派手やねんで?


髪の毛は赤髪
目の色は紫
ピアスだってジャラジャラついてんねんで?
やから変装しろゆわれてん。

変装してへんかったら皆怯えとるやろーな


まぁ、今はシカトされてるだけやけど。

てかシカトとかちょーヘッチャラ。


もしもの時は学園長のあゆりんにでもチクッとくかぁ。


あ、あゆりんはお母さんの妹。
楓汀学園の学園長やってるんやで!


ま、シカトはシカトするまでっしょ!


「・・・。」


「・・・。」


うわぁ。沈黙・・・。悲しーねー。


「海野さ〜ん」


「あ、はい。」


シカトしてるんちゃうんかーい!


「この資料職員室に持って行ってくれる〜?」


「あ、はい。分かりました。」


「マジサンキュー。感謝するわ〜」


はぁ。地味子も大変だね。
こんな雑用押し付けられて。


ガラッ


てかもう、放課後だったんだ。


「さて。運びますか。」


「あの、大丈夫?」


「え?」


誰やアンタ。シカトしとけゆわれたんちゃうの?


「今まで見て見ぬふりしてゴメンなさい」


「別に良いよ。」


本当になんやこの子。


「良かったら友達になろう?」


「う、うん。」


「やった!はい!握手!」


「ん・・・。」


「これで友達!一緒に資料運ぼっか!」


「良いよ。私に頼まれ事だし。つるんでるの見られたら貴方も厄介でしょ?」


「私は茅夏、藤堂茅夏トウドウチナツ!よろしくね!別に厄介じゃないよ!」


「そう・・・?」


「え!?茅夏!?」


「あ、華織 カオリ ちゃん。」


「茅夏何してんのよ。」


「こ、これは・・・。」


「私が。
私が職員室の場所を聞いてたの。
藤堂さんは私に職員室の場所教えてくれてただけだから。」


こーゆーのあるから
あんまり人と関わるの嫌なんだよねー。


「そ、そうなんだ。茅夏行くよ!」


「あ、うん・・・。」


なんでそんな顔するの?藤堂さん・・・。