大学を出て、バイト先に着くと知ってる顔がいた。 「え?」 「あれって、渡辺康介じゃん」 「やっぱり?だよね?」 カフェに入ると、坊主頭の高校生が3人いて、みんなすぐに球児だってわかった。 でもその中に康介くんがいたのだ。 まーいっか! 「繭、いこ」 「声かけなくていいの?」 「友だちじゃないし、ただ泉の弟ってだけだからさ」 「そっか」 あたしたちはその子たちの前を横切ろうとした時、声が聞こえてきた。 「おい!あれじゃね?」