それは、7月の大雨の日でした。 その日は、ふみの誕生日で夜に誕生会をする事になっていました。 「今日は早く帰ってくるからな!」 ふみの父はふみに優しく暖かい笑顔でそう言いました。 「うん!早く帰ってきてね!パパ大好き!」 当時10歳になったばかりのふみは元気にそう言いました。 「あなた。気をつけてね」 ふみの母親もまた優しく微笑みかけてそう言いました。 今日は家族にとって幸せをもたらしてくれる日。 そうなるはずだったのです。