ケント、なんて返すんだろう……。 ドキドキして、ドアに耳をもっと近づけた。 「実際のとこどうなん?可愛い系女子である橘さんとはなんもないのか?」 クラスのお調子者の濱田くんがいう。 なんてこというんだ、濱田くん! そう思いつつも気になって。緊張で少し手が震える。 「はっ」 聞こえてきたのはケントの鼻で笑ったかのような声。 「可愛い?アイツが?冗談だろ」 ははっと笑うケント。 私は固まることしかできなくて。