可愛いヤツ。





頭が一瞬で嫌な想像でいっぱいになった私は焦った。






「か、帰るっ!放して!」






きっと朝のことが気に食わないんだ。
どうせ、また可愛くねーやつって言われるんだ。



またそう言われるなんて、御免だ。




ケントの手を振り払って、教室を出ようとすると。







「帰らせねぇ」








ダン、とケントの腕が私の顔の横についた。
前にはケントの身体があって。






上を見れば思いの外ケントの顔が近くて、その真剣な眼差しから私は目を逸らして、俯いた。