可愛いヤツ。





ガラッ。





「おっ、ケントおはよっ!」







濱田くんの明るい声が聞こえた。
ケント、来たんだ……。





少しだけ、追いかけて来ないかなっていう気持ちがあった自分が恥ずかしい。ケントは息切れもしていない。







だけど。







「……」



「あれっ、おい無視すんなよケント〜!」



「うるせぇ」




物凄く機嫌が悪い。




冗談で絞め技かけようとした濱田くんに、ケントが冷たくそう言った。






その一言に、クラスは一瞬静かになった。
ケントはこのクラスで結構発言力があるから、余計に。







「なんか、ケントくん不機嫌だね」






北山さんが不安げにそう呟いた。







ケントが好きな北山さんが不安がってるよ。なにしてんの。






不機嫌なのはなんで?私が大っ嫌いとか言ったから?







……そんなわけないか。ケントは私のことなんて好きじゃないんだし。