可愛いヤツ。





私がついてこないことに気づいたケントは歩みを止めた。





「どうしたんだよ。なんか今日のお前、おかしくない?」



「別に、なんでもないから」






おかしいのはあんたのせいよ。
そう思った私から出た言葉は自分が思ったよりも冷たかった。






それに対してケントが不機嫌になったのがわかった。長い付き合いだとそういうこともわかるようになってくる。







「んだよ……可愛くねーな」







ズキッと胸に鋭く刺さる言葉の刃。
陰口を叩かれることよりも、好きな人にそう言われる方がよっぽど堪える。