碧い海の彼方まで。〜夏の記憶〜

『ねぇ、約束しない?』

パーティから抜け出して1時間ぐらいたった頃。

『ん?なにを?』

『天ちゃんさ、将来こんやくしゃ、とかいるの?』

それは突然な、質問で

でも、勉強ばっかりの私にそんなひといない。

『いないよ?

跡取りの勉強しなくちゃ、だから』

『そっか、

じゃあさ、18歳なったら僕が天ちゃんのこともらっても良い?』

私は、まだ、意味がわからなかった。

でも、

次の瞬間、それが一瞬でわかることになる。

ちゅっ

小さなリップ音を鳴らしてかず君と私の唇が重なる。

触れるだけの、優しいキス。