碧い海の彼方まで。〜夏の記憶〜

『わぁ、これが...うみ...っていうの?

初めて見た...』

私は唖然としてずっと見ている。

夜のこんな暗いときにでも

月光に照らされ、

いくつもの波がキラキラ光っている。

なんて、幻想的か。

私は初めての“感動”、“海”を知った。

明日からの私の“表向きのお人形”がまた始まるのに、

彼も、きっとそう。

きっと、、私同様に“演じてるだけの人形”になってしまうんだ。

『ねぇ、名前、なんていうの?』

見惚れながら考え事をしていると

彼から話しかけられる。