「元の時代に、戻る方法はきっと、あの祠だ。千菜もそれで帰った」

「祠・・・」

「恐らく、千代の力だろう・・・」



千代さんの力で、元の世界に戻れる?
でも、そうなったら・・・。
鬼羅さんとももう会えないっていう事?





「そういえば、言い伝えにはもう一つあったな」

「え?」

「その島には宝が眠っていると。どんな魔物でも人間に変えてしまうという秘宝」

「人間に・・・?」

「ああ。それもまた、真偽のわからない言い伝えだけどね」




人間になれる宝。
もし、それを使えたら・・・。
鬼羅さんがお母さんと生きる未来があるだろうか。


鬼羅さんは、もう諦めてるのかな。
私の生きている時代には鬼はいない。
鬼羅さんも、そのことを知っているのかも。

だから、お母さんがいる未来に行くことを願ってはいない?

共に生きれないことを知ってるから。




だとしたら・・・。





「私も、その島に行きます!そのお宝があるのなら、見てみたい!それから・・・っ」