お母さん。
いつか、いつか、お母さんと鬼羅さんを会わせてあげたい。
叶うのなら、ずっと一緒にいてほしい。



こんなに愛し合っているのに。
離れ離れなんて、悲しいよ。




悲しすぎるよね。





「・・・すまない」

「これ、鬼羅さんが持っていて」

「これは」

「お母さんがずっと持ってたものなの。肌身離さず。だから、きっとお母さんの思いがこもってる。お母さんだと思って持ってたらいいよ」




私はそう言ってあのくしを渡した。
きっと、お母さんもその方が嬉しいよね。





「・・・由羅か」

「え?」

「いい名だな」

「お母さんが、つけてくれたの。・・・お母さんの大切な人の名前をもらったんだって。鬼羅さんのことだったんだね」

「そうか」

「お母さん、本当に鬼羅さんの事大好きなんだから」




妬けちゃうくらい。