「鬼羅さ・・・っ、たすけ・・・快斗が・・・っ」

「大丈夫だ。落ち着け。大丈夫。死んでない」



快斗の様子を確かめた鬼羅さんは私を落ち着かせるように抱きしめてくれた。
震える身体。

恐怖に支配された心が少しだけ安らいだ。




「ふ・・・、うっ・・・ううっ」

「怖かったな。怖い思いさせて、すまなかった」

「ううっ・・・!鬼羅さん・・・鬼羅さん・・・」

「もう大丈夫だ。早く、快斗の手当てをしてやろう」

「うん」




慰められ、落ち着いた私は涙を拭い快斗の手当てを手伝った。
私を庇った快斗は、右肩から背中を斬りつけられていた。

それでも、かすった程度であまり深い傷ではなかった。



よかった。




「快斗のバカ・・・」

「・・・由羅」



目を覚ました快斗が私を呼ぶ。
私は唇を噛みしめ快斗を見る。




「バカ!バカバカ!」

「怒るなよ・・・。言っただろ、お前は俺が守るって」



そう言って私の頬を撫でる。
私は何度も頷いてその手を掴んだ。