「由羅、違うの、話を聞いて」

「もういい・・・聞きたくない」

「由羅」




もういいよ。
言えないようなことだったんでしょう?

私は、言えないようなことをして生まれた子供ってことなんだ。




「お母さんの嘘つき。お母さん言ったよね!?人を好きになることは素敵なことだって。人に愛されることは幸せなんだって」

「・・・ええ」

「でも、それって永遠じゃないじゃん。お母さんは、だから一人なんでしょう!?結婚もできなくて、一人で私を育てて。愛されてなんかないじゃん!永遠の愛なんてないじゃん!」

「・・・っ」



お母さんの瞳が潤んでいく。
見たくなくて目をそらした。




「捨てられたんでしょう?愛されてたって思ってたの、お母さんだけなんじゃないの?・・・私なんて、生まれないほうがよかったんじゃないの!?」




止まらない想いを突きつけて。
私は家を飛び出した。

玄関の外には快斗がいて。
苦しそうに顔を歪めていた。


私は快斗をすり抜けて走り出した。