そして、祠のある場所へ戻ってきた私たち。
流れる空気は重く。



あんなににぎわっていた集落も、今はもう静けさが漂い寂しさを増す。




「呪術師がいるのだ」

「え・・・?」

「千代に、呪いをかけ、俺を封じた呪術師。俺は時光から身を護るという取引であいつを時光の手の届かないところに匿っている」

「それが・・・?」




呪術師。
それは、呪いとか術を施す人の事?
そんな人がいるんだ。




「俺は、この先何年の時もこの祠を護るため、千代と共にこの祠に眠ろうと思う」

「え・・・!?」

「この身を封印し、この地を護るためだけに力を使う」




千代さんが眠るこの地を護るため?
千代さんのために?




「ずっと側にいる、その約束を俺は果たせなかった。共に逝ってやることもできなかった。だから、せめてこの時だけは。千代と共に」





鬼羅さんの思いが、切なくて。