「この世は、戦乱の世だ。あの祠がいつ壊されるかわからん。だから、俺はあの祠を護らないといけないんだ」

「どうして!?お母さんに、会いたくないの!?鬼羅さんは、お母さんより千代さんを選ぶっていうの?」




酷いよ。
お母さんは、ずっと鬼羅さんを想ってたのに。
鬼羅さんは、そんなお母さんより千代さんを選ぶの?




「千菜を愛している。その気持ちに変わりはない。今すぐにでも飛んでいき、抱きしめたい」

「だったら!」

「でも、それでは・・・、千菜に怒られてしまうからな。千代をおざなりにしては」

「そんな・・・」

「お前には、理解できんと思うが。千代の事を大切にするうえで、千菜の事を愛しているんだ」





わかりたい。
わかりたいよ。
鬼羅さんの思い。

初めて愛した人なんでしょう?
千代さんは、鬼羅さんの初めての。



それでも、私は・・・。





「とりあえず、あの地へ戻ろう」

「鬼羅さん・・・」