「いや。俺は、そっちにはいかない」





鬼羅さんが、はっきりとそう告げた。





「行かない・・・って、どうして!?」

「な、なんでだよ!」




快斗も叫ぶ。
だって、ならどうしてここに残ったの?




「俺は、この地を離れるわけにはいかない」

「どうして・・・」

「千代を、一人にしておけない」





千代・・・。
どうして・・・。


千代って、鬼羅さんを庇って亡くなってしまったお姫様だよね?
その人の事はもう、ふっ切れたんじゃなかったの?

お母さんが現れて、それで・・・。


違うの?