「たぶん、夕方くらいにはつくはずだよ」

「そうなんですね」



琉鬼さんが振り返りながら教えてくれた。
もう少しでつくんだ。


一年に一度しか現れない秘島。
それは、本当にあるんだろうか。




「そこで、他の鬼たちとも合流することになってる」

「他の鬼たちとは、和解できそうなんですか?」

「もともと鬼の争いって、住処を追われて起きる争いでね。敵対してるとか、そういう事じゃないんだ。生きるため必要に迫られてって感じで。だから、問題はないよ」

「そっか・・・」




争うことなく、鬼たちは手を取り合ってそこで生きていけるんだね。
人間のせいで生きにくくなってきたこの地を離れて。

自分たちの生きる地を求めて。





「きっと、素敵な島になりますね!」

「そうだね」





争うことなく生きられるのなら。
それはなんて素敵なことだろう。