「今日はここで寝る」

「野宿初めてだ」




一度森を抜け、村を抜けてまた森に入ったそこで眠ることになった。
恐らく安全な場所らしい。




「俺たちが交代で番をする。お前たちは寝ていろ」

「でも・・・」

「子どもが変な気を遣うな。明日も早いんだ。眠っていろ」




鬼羅さんにそう言われ、横になる。
着物を敷いただけの簡易なもの。
他の鬼たちも横になり、番に残る鬼たちだけが起きている。

次第にうとうとと眠りに落ちていく。





「おやすみ、由羅」





鬼羅さんの声が降ってくる。
そのまま私は眠りに落ちていく。