月が2人を照らしてる




「…え?」


ヤバいよヤバいよヤバいよ。


「だーかーら。だ・ぶ・る・デート!」


「誰と…。」


「誰とって…。あんたの愛しの彼氏様と…

「彼氏じゃないってーの!」


「かぶせないでよね…。」


呆れている聡美に私はもう一度聞いた。


「メンバーは…?」


「私でしょ?真白でしょ?」


「はい…。」


私が返事をして、聡美の顔を見つめる。

心なしか顔が赤いのは気のせいだろうか…。


「あと…斗真くん…。」


「誰それ?」


言ったのが間違いだった。


目の前の彼女は私を見つめている。

いや。
睨んでいる。

普通の睨みなら可愛いものだ。

しかし彼女は違う。


なんで知らないの?
てめぇの息の根止めてやろうか?

という感情がひしひしと伝わってくる睨み。


「あんたそれわざとやってんの?独り言?それとも心の声がもれちゃった!的な?それとも喧嘩売ってるの?」


「すみませんでした。」


どうやら心の声が彼女にも聞こえてしまったようだ。(まぁ…わざとです…。)