月が2人を照らしてる



「絶対あんたのことでしょ?やつが本以外に心動かされるものと言えば真白だけだし。」


いやいやいやいや。


「顔赤いけど?」


「……っるさい…。」


「なによ。愛しの彼氏様がヤキモチ妬いてんのよ?」


無視無視。


「……。」


黙った聡美を横目でチラッと見て、私は席に着こうとした。


「西野くん!」


聡美の声が教室に響く。


「放課後真白が話しあるって!」


…は?!


「……分かった。」


西野くんの低い声が優しく響いた。


じゃない…。


私はクルリと後ろを向くと、極限まで聡美に近づいた。


「…なに言ってんのよ。」


「なんのこと?」


憎たらしい笑みを浮かべながら、聡美は惚けたような顔で私を見ていた。


本当ムカつく…。