月が2人を照らしてる




それから暇なときは図書室へ足を運んでいる私。

最初の頃は噂は絶えなくて、クラスメートには『付き合ってるの?』なんて事を毎回聞かれていた。


今ではそんな噂を一度も耳にしなければ、誰も私達の関係を気にするものはいない。


ただ1人を除けば。


「真白!」


そうそうこんな声の奴。


「聞いてんの真白!」


「なに?」


隣で騒いでる聡美に私は冷たい視線を向ける。


「あんた告られたりした?」


「……。」


なんも言えね…。


「図星?」


「え…まぁ…。」

てか…

「なんで知ってんの?」


眉間にしわを寄せながら聞くと、聡美は私から視線を外して難しい顔をしながら別のところを見つめた。


「あれ。」


そう言った聡美から視線を外し、見つめる先へと目をやると…


「西野くん…。」


いつも本を読んでいる西野くん。

しかし、今は本を読んでおらず、眉間にしわを寄せて机を睨んでいる。


あれ…?
怒っている…?