月が2人を照らしてる




キーンコーンカーンコーン…


『きょーつけ、れーい。』


HRの終わりを告げるチャイムがなり、委員長のかったるい声で全ての授業が終了した。


『真白。』


生徒が教室を出て行く中で、聡美が私の前に立ちはだかる。


『ん?』


『頑張ってこいよ!』


バシッと鈍い痛みが肩に伝わる。


『いたっ!』


『じゃ!』


そう言って聡美はおそらく部活へと行ってしまった。


『余計なお世話だっつーの…』


私は聡美の背中に聞こえない声で呟いた。


『行くか…。』


教室を一応見渡すと、西野くんの姿はもうなかった。