月が2人を照らしてる




「付き合ってんの?!」


「声でかい!!」


聡美におもいきり頭を叩かれた。

そこまでしなくても…。


「で?香川斗真にデートに誘われて?恥ずかしいからWデートって…ガキか!!」


「…だって…。」


目の前の怪力女…おっと失礼。聡美は顔を赤く染めて俯いている。


「はぁ…。まぁいいけど…」


「本当?!!」


さっきとは打って変わって表情が明るくなっている。


「で、私は誰と…


「聡美。」


かぶせんなっつーの!

1人心の中でツッコミを入れながら、声がした方に目を向けた。


「香川くん。」

の後ろに西野くんもいる。


ちょっと嬉しいとか思ってない。

うん。思って…ない。


「ちょうど良かった。聡美がWデートがいいって言ったから、西野も連れてきたよ。」


「ありがとう!斗真くん!」


おいおい恋する乙女になってるじゃないですか。


「立花は大丈夫?俺らが入ってもいいかな?デートの邪魔はしないからさ。」


そう言う香川くんを西野くんがおもいきり叩く。


「あ、照れてんの?」


ニヤニヤしている香川くんを西野くんは完全に無視していた。


「西野も乗り気みたいだからさ、立花もおいでよ。」


そう言って笑う香川くんを見ながら、私は横目で西野くんを見た。


少し顔が赤くなっているのは気のせいかな…。


そう思いながらも、少しの期待を胸に秘めて、私はコクンと頷いた。