それは突然の出来事だった。

マホは歩道橋から身を乗り出していた。
誰も私を見ていない。止めようとしない。ここから落ちればきっと近道だ。








落ちた

なんて気持ちが良いんだろう。
まるで飛んでいるみたい。
朝のあの感覚によく似ている。
もっともっと落ちて行きたい。
ああ意識がとおのく。
マホはゆっくりと目を閉じた。

マホはしばらくして、なかなか自分の体がアスファルトに叩きつけられる痛みがしないのに気が付いた。