「……葵?」









「…すいません、直ぐ帰ります」















「いいよ、先生の車乗って」












「…大丈夫です」












「いいから」








そう言ってぐっと手を引っ張る先生











その手が温かくて思わず心臓が鳴った




















「…手、冷たいな、寒かっただろ?」






「…いえ」






「強がんなよ」


そう言って先生がははっと笑う









ごめんなさい、本当はこんなこと面倒臭いのに





気遣ってくれてありがとうございます










口に出そうとしてやめた


















先生の車に乗って、私が家まで指示しながら行くことになった