「おい、ありゃだめだよー」

帰り道おれはあとから追いかけてきた正弘によびとめられた。

「付き合ったら一緒に帰るのが普通だろ。これから一週間、毎日安子とかえること!いいな。」

「あのなー、告白したんだからもういいだろ」

「あっそう。じゃあ、おれおまえと安子が付き合ってるって学校中に言いふらすわ。」

「え、おいまてよ。 …わかったよ。一緒に帰ればいいんだろ、一緒に帰れば…」

「んじゃ明日からよろしくー」

そういって正弘は颯爽とおれのまえから消えていった。

なんでおれがこんな目にあわなければならないんだ…
おれはベッドに入りながら明日のことを考えて気分が重くなった。


その晩おれは夢を見た。
おれが、だれか、おそらく彼女であろうひとと笑いあっている夢だ。
夢の中のおれはとても幸せそうだった。