告白されたときの安子は目を白黒させていた。
一瞬、断られるのではないかと思った。おれは続けた

「ずっと、まえから好きだったんだ。」

この言葉を言うのにいくら安子といえども少し罪悪感を感じた。しかし、おれはなんとしてでもこの告白を成功させなければならなかった。告白を、よりによって安子に断られるなどというのはおれのプライドが許さなかった。

「いいよ、つきあおう。」

安子は静かにそういった。
暫しの沈黙が流れた

「お、おうありがとう。じ、じゃあな」

おれは一刻も早くこの場を立ち去りたかった。安子と一緒にいるところをだれかにみられたくなかった。
おれは安子をおいて屋上をあとにした。