石で造られた校門に 立つのは新入生達。 私もその1人。 佐々敷 梓 (ささしき・あずさ) 小学生からあがった ばかりの中学生。 やっと入学できた 中学校には、ほとん ど知った人ばかりだ ったが一つだけ違う。 彼がいない。 でもそれに耐える くらいに、私も強 くなった。 門をまたぎ、入学 した。 その季節も桜が吹雪き、 薄い桃色の花びらが 彼、彼女等を取り巻く 季節だったのを覚えて る。