涙想い

教室について私の机でいくちゃんと世間話をしてバイバイしていくちゃんが自分の席に戻って行く。
「おはよ」
横から声がした。
「ん、おはよ。今日も遅刻ギリギリだね。おつかれ」
「おう。それより課題早く見せて」
「しょーがないねホンット。たまには自分でして来たらどーなのよ」
「まぁまぁ。そんなこと言うなって、俺悲しいぞ」
「はいはい」
隣の席の小島優斗(こじまゆうと)
背が大きくてなかなかのルックス。
もちろんこの男を放っておく女はいない。
いつも遅刻ギリギリで学校へやってきては私に課題を見せろと質こい。

そんなこんなであっという間に昼休み。
「沙奈〜!ご飯食べよ」
「はいよー、屋上行こ」
お母さんの愛情たっぷりのお弁当を持って屋上へいくちゃんと向かう。
「ふ〜。階段疲れる」
屋上に置いてあるベンチに座り一息。
今日はいつも以上に天気が良くて心地が良い。
「ねぇ、沙奈って好きな人とかいるの?」
出ました、コイバナです。
私は好きな人とか恋愛とかよく分からない。
「いないよ。そーゆーのよく分からなくてさ」
「もったいない。小島君とか良いじゃん」
いくちゃんが冷やかしの目を向けてくる。
「いやいや、それはまじないわ」
ケラケラ笑う。
いくちゃんといると笑っていられる。
「で?そーゆーいくちゃんは好きな人とかいないの?」
そう聞くといくちゃんの顔が少し赤くなった気がした。
これは絶対いると思って、
「まさか、優斗?」
「違う!でも沙奈の知ってる人」
「え?ん〜…分かった!けんちゃんだ!」
「…当てられちゃった」
いくちゃんはうつむきがちに“エヘヘ”と照れていた。
可愛いなぁ。