母さんに聞いても、俺は記憶喪失らしく

「無理しないでゆっくり思い出してね」

ばっかりで。


学校に復帰してから、俺は葛西さんばっかり目で追ってしまっている。


たまに目が合ったら葛西さんは「おはよう」って笑って俺に言う。


……どこか悲しげな笑顔で。


葛西さんのこと考えてたらいつの間にか実行委員に立候補していた俺。