叶う 〜私の歌を君に〜




それでも咲希は全然出す様子がない。



「さ、咲希…?用意してないとかないよね…?」



私は恐る恐る言ってみた。


いや、咲希に限ってそんなことないとは思うんだけど……



「あるある。結海が今1番欲しいものがあるから」



咲希が「も〜やだな〜、結海心配しすぎ」と言って笑った。


私も「だよね」と笑い返した。



「で、その肝心のプレゼントは?」


「実は大橋公園にあるんだよね。今から行こ?」


「………え?」



そう言って脱いでいたコートを着始めた咲希。


全く状況が飲み込めないまま、私も出かける準備をした。