「今日歌わせていただくのは、自分で作詞作曲した、『君に』という曲です。まだまだ未熟な私が、自分なりのたくさんの想いを込めて作りました。聴いてくれると嬉しいです!」
私はマイクを強く握りしめ、目を閉じた。
ここが、私の歌手としての第一歩。
私をスカウトしてくれた伊藤さん、そのきっかけを作ってくれた清水くん。
そして何より、背中を押してくれた要。
みんなのおかげで、今、歌える。
ありがとう。
本当に、その言葉しか出てこない。
この曲を聴いてくれる人にも、私の感謝の気持ちが伝わるといいな。
………私は、静かに目を開け、息を吸い込んだ。

