叶う 〜私の歌を君に〜




要はバッグの中から水色のイルカのキーホルダーを出して私の前で揺らした。


その、キーホルダーを揺らした手が左手だったことに、すごく心が痛くなった。


でも気にしない振りをして、私もピンクのイルカを揺らしてみせる。


2人ともニコッと微笑んだ。


……でも、幸せな時間は、長くは続かなかった。



「あ、やべ、こんな時間…。結海、もう行かなきゃいけないんだ」


「……そっか」



2人とも、さっきの笑顔がウソのように消えていった。


私は思わず俯いてしまう。


本当に離れなきゃいけないってなって、すごく自分のワガママな思いに気づいた。


嫌だ。


離れたくない。


アメリカなんて行かないで。


ずっと一緒にいてよ。


……1人にしないで。