叶う 〜私の歌を君に〜




「……帰るか」


「……うん」



帰りたくない。


だけど、家に帰ってからしたいことができた。



「要ファンレターありがとう。それと、デート楽しかったよ。月曜日、ちゃんと行くから」


「え……ちょっ……!」



勢いよく立ち上がって、要に手を振って走り出した。


送り出す覚悟をしたけど、やっぱり割り切れるものじゃない。


ファンレターをちゃんと持って、走って走って走った。


笑顔でバイバイした以上、要に今の涙を見られないように。