「どうしたんだい?」 診察室にいたのは、俺が入院してる頃お世話になっていた先生だった。 「記憶が戻ったらしいです。まずそのことを報告に」 母さんが答えて、ペコリと頭を下げた。 俺も軽く会釈する。 「そうかい。よかったじゃないか」 「ありがとうございます。で、もう一つ…」 母さんが俺のほうを見た。 自分で言えってことだろうか。