叶う 〜私の歌を君に〜




「俺、さ……」


「うん?」



俺は右手を顔の前に持ってきて開いたり閉じたりした。



「たまに……右手や右足に力が入らなくなるんだ。今日の文化祭も極力左手を使ってた」



たこ焼きの受け渡しも左。


ステージ上で結海の手をとったのも左だった。



「力が入らないって…?」


「上手く言えないけど…俺は力を入れようとしてるのに伝わらない、みたいな」



母さんが怪訝な顔をした。


まぁその反応が普通、だよな…



「一応、今から病院行く?ついでに記憶が戻ったことも伝えに」


「……ん」