叶う 〜私の歌を君に〜




「帰る?」



耐えきれなくて要に話しかける。



「うん。あ、ちょっと職員室よってくから下駄箱で待ってて!送ってく。」


「分かった」



要も私もカバンを肩にかける。



「あ、結海……」


「なに?」



教室を出て廊下を歩いていると要が立ち止まった。




「俺、記憶喪失の間にも結海のこと好きになってた。……いつの間にか、結海を見てた」




要はそれだけ言って職員室への階段を駆け下りていった。



「ウソ……」



私は廊下で立ちつくした。


おそらく私の顔は、廊下の窓から見える紅い空みたいに染まってたんだろうなぁ。