叶う 〜私の歌を君に〜




「要、どうしたの?」



耐えきれなくなって、要の前に行った。


要を見た途端、私の目が見開かれる。


要は右手で顔を抑えて、静かに涙を流していたんだ。



「要?」



あ、そうだ!


確かポケットにハンカチが……



「結海……」



え……?


ポケットに入れていた手が止まる。


今、結海って言った……?


そのことでも頭が真っ白なのに、いきなりふわっと温もりに包まれた。


大好きな要の香りがする。