「くそっ!」



人が多すぎて全然進めない。


それでも人の間を縫うようにして走る。


菅川が言ってたことに過剰に反応してしまったのは何故だろう。


俺は葛西さんが好きなのか……?



「あぁ〜もう!分かんねぇよ!」



急に叫んだ俺を周りの人がギョッとした顔で見た。


うわ、恥ず……


でも、早くしないと始まってしまうかもしれない。


俺は周りを気にせず走り続けた。