叶う 〜私の歌を君に〜




もう、無理……


でもそう思ったそのとき。



「その手、離してもらえますか」



その声が聞こえたと同時に、私の手は男から解放されていた。


え……?



「はぁ?お前何勝手なことしてんだよ」


「店員に手を出すのはやめてください。あと、他のお客様の迷惑になるので食べ終わったらすぐに出ていってください」



男の人に全然怯まずに言い放ったその人を見上げる。



「要っ……」



何でこう、要はいつもいつも助けてくれるのかなぁ……?


そいつらに涙は絶対見せない、と堪えていた涙が溢れ出した。



「チッ、帰るわ」


「ありがとうございました」



舌打ちをして出ていった男達にでも、要は頭を下げた。


他のお客さんも「何か凄かったね?」っていう感じでまた話し始めた。