こんな人を好きになったら、良かったのかな。
今からでもまだ間に合うかな。
でも、あたしの心の中にいるのは、確実に…仲﨑くん。
「藍梨ちゃん。どしたの?」
「えっ。」
「なんか悲しそうな顔してた。
もしかして、好きな人のこと…?」
「…うん。」
「藍梨ちゃんにそんな顔させるなんて、どんな奴なんだろうな。
不謹慎だけど、羨ましいよ。」
「…朔さん。」
「ん?……うわっ!」
こちらを向いた朔さんに、手ですくった水をかける。
朔さんが切なそうな顔をしていて、あたしのせいで、そんな顔させたくないと思ったから。
「やったなぁ!」
朔さんは顔を袖で拭って、手ですくった水をあたしにかけた。
「あーっ、目に入った!」
「えっ、大丈夫?」
朔さんが心配そうな顔で近づいてくる。
その顔に思い切り水をかける。
「うわっ…!」
やられたって顔してる朔さん。
あたしはそれを見て笑ってしまう。

