せっかく気晴らしにと外に出たのに、仲﨑くんのことを、ついつい考えてしまう。



「あーもうっ!」



そんな自分に腹が立って、思わず声に出してしまう。



「ふっ…変なヤツ。」



「…わぁっ!」



突然鼻で笑われて、声をかけられ、あたしは身体を震わせる。
声の主なんて、顔を見なくてもわかってしまった。



「仲﨑くん…。なんで?」



「何が“なんで?”」



「えっ…と、なんでここにいるの?
彼女といたんじゃ…。」



そこまで言って、はっとして口をおさえる。
そんなことまで知られてたら、気持ち悪いよね。



「あー、まあ。
なんでお前が知ってんの?」



「……蓮から写真見せてもらって…。」



やっぱりあれ、彼女だったんだ。

それを知った瞬間、一気に心拍数が上がる。
胸が痛くて、喉の奥がきゅっとしまって、息ができない。