「それにしても、仲﨑速かったよね。」
遥香が、教室の扉にもたれかかっている、仲﨑くんをみていう。
「確かに!」
「あんなに真面目に走ってくれると思わなかった。」
「あたしも思ってなかった!
今回ので結構見直したよね。」
それを聞いて、あたしもなんだか嬉しくなる。
そして、仲﨑くんの方を見て、ニコッと笑いかけた。
すると、仲﨑くんに小さく手招きをされる。
「どうしたの?」
「保健室…行くぞ。」
「あ、そっか。うん、行く。」
「ん。」
仲﨑くんはあたしに背を向けて、その場にしゃがむ。
「え?」
「歩くのしんどいんだろ。乗れよ。」
どうやら、おんぶしてくれるらしい。
確かに、足首を捻ったのか、歩くのはしんどいけど…。
「いやいや、悪いよ。
服に血がついちゃうし。
大丈夫。歩けるから。」
「あっそ。
じゃあ、前歩いて。」
「え、あ、うん。」
あたしは仲﨑くんの前にたって、歩みを進める。
すると、ふいにズキズキとした痛みの合間に、力が抜けた感覚かあった。

