「そんな理由で俺に頼むな。」
「お願いしますっ!ねぇ、仲﨑くんっ!」
首が折れるんじゃないかってくらい、勢いよく頭を下げる。
「…はぁ。ほんとめんどくさい奴。
分かった分かった。走ればいいんだろ。」
「ありがとう!!」
仲﨑くんが足が速いのは知っている。
あたしを助けてくれた時、少し遠いところから、走って駆け寄ってくれたから。
「全力で走れよ。」
走る前、仲﨑くんに声をかけられ、力強く頷いた。
パァーンッ!
ピストルの音が鳴り響き、一走者がスタートする。
あたしは4番目。
遥香から受け取る。
「遥香ーっ!」
近づいてきた遥香に、思いっきり叫ぶと、遥香のスピードは増して、一人抜いた。
「任せたッ!」
バトンを受け取る時に、そんな遥香の声が聞こえた。

