「ねぇ!大変だよ!
リレーに出る男子がひとり、足怪我したって!」
クラスの女の子が、走ってきて、焦りながらそう言った。
みんなも焦り始めて、場は大パニック。
そのとき、視界の端に、壁にもたれかかっている仲﨑くんを発見する。
「仲﨑くん!仲﨑くんっ!」
名前を呼んで、手招きをする。
すると、気だるそうに歩いてきた。
「何?」
「リレー、走って!」
あたしがそういった瞬間、騒ぎまくっていたみんなが、静まりかえる。
「無理。」
「お願い!」
「なんで俺?
ほかに速いヤツらいるだろ。」
「だって、あとの人は知らない人ばっかりだもん。
知らない人にバトン渡すの、嫌だよ。」
そう。怪我をしたのは、あたしのあとに走る人。
つまり、アンカーにあたる。

