「んなことねぇよ。
俺は悪いやつだ。」



「違うでしょっ!何回もあたしを助けてくれたもん!」



「何回もって…、たったの2回だろ?」



「それでも、助けてくれたことには変わりないよ。」



「あっそ。」



「とにかく、仲﨑くんは優しい人なの!
わかった?蓮。」



「はいはい。
仲﨑さん、すみません。めんどくさい姉で。」



「ああ、平気。慣れた。」



「慣れたって、姉ちゃん、どんだけ厚かましくしてんだよ。」



「別に厚かましくなんかしてない!
そうだよね、仲﨑くん。」



「そうだと言えばそうだし、そうじゃないと言えばそうじゃないな。」



「ひどい…。」



「でも、いろいろと感謝してる。
こんな俺のために、ありがとな。」



「“こんな”じゃない。
あたしの恩人。」



「そればっかり言ってるな、お前。」



「だってほんとのことでしょ?」



「んー、まあ。」