【悠翔side】



学校に来てみたら、思っていた通り、変な噂が流れていた。

俺のせいだ。
俺があのとき、変な誤解をしたから。


俺は、美咲を傷つけて…。
次は伊川まで傷つけるのか…?



靴を履き替えると、急いで教室に向かう。
でも、俺の出る幕なんてなかった。

あの男がいた…。
“りゅう” “藍梨”と、お互いを親しそうに呼び、笑顔で楽しそうに会話をする伊川。


あいつが本命…?
じゃあ、前一緒にいたとかいう奴は、一体誰なんだ?


…わかんねぇ。
俺は全然、伊川のことを知らない。
今まで知ろうとしてこなかったからだ。



もうやめよう。想うのは。

この気持ちは、心の奥にしまっておこう。

もう一度、この気持ちを、閉じ込めてしまおう。

そうすれば俺は、楽になる…。