「バカ藍梨。
そんなカッコで車から降りんな!」
りゅうは自分の羽織っていたコートをあたしに掛け、ぎゅっと抱きしめてくれる。
あたしの格好が、みんなにみられないようにしてくれてるんだと思う。
「…あ。ごめん。」
あとから気づいて顔が赤くなる。
通りすがりの人は、こちらをチラチラとみていく。
お店の中にいる人まで…。
「帰れよ、お前。」
りゅうにそう言われた仲﨑くんは、怒りに満ちた顔で、去っていった。
「藍梨。今日は帰るか。」
「でも、バイト…。」
「できないだろ。
俺が話してくるから、着替えて待ってろ。」
りゅうはそういうと、あたしを車に乗せて、今度は鍵をしめていった。
…仲﨑くんに誤解されちゃったよね。
明日、ちゃんと誤解とかないと。
「お待たせ。帰るか。」
車に戻ってきたりゅうが、あたしに微笑む。
コクっと頷くと、車が動き出した。

